今も昔も、映画はみんなが楽しめる身近な娯楽。
映画が誕生して120年余り。
私たちのおじいちゃんおばあちゃん、
あるいは、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんだって
映画を楽しんできました。
ひいおじいちゃんが観ていたかもしれない100年前の映画や
お父さんの青春時代を彩っただろう50年前の映画など
公開年ごとにランダムに紹介していきます。

これまでのライブラリー

2021.3.20.

 

 

 

 今回は、ちょうど40年前の1981年にタイムスリップ。当時、学生の間では、ヤンキー文化が花盛り。校内暴力が史上最高を記録しました。そして、一世風靡したのが「なめ猫」。団塊ジュニア世代にとっては小学校時代に大流行りした懐かしいキャラクター。子猫が暴走族になって「なめんなよ!」の決め台詞。かわいいだけじゃなくて、ちょっと悪い猫さんにみんなメロメロでした。有効期限は一生、でもなめられたら無効という「なめ猫免許証」は、クラスのほぼ全員が持っていたのでは?当時は、街のファンシーショップ(雑貨屋さん)に行くと、缶バッチやペンケースやキーホルダーなどたくさん売っていて、私も親にねだった記憶があります。その後、動物虐待を疑われることになりブームは去ってしまいますが、又吉は16才、ミケ子は20才以上も生きて天寿をまっとうしたそう。

 

 そして、この年テレビで人気だったのが「じゃリン子チエ」。仕事もせずにホルモン焼きのお店をチエちゃんに任せきりのダメな父親「テツ」とそんな環境にめげずに元気に暮らすチエちゃんが主人公のアニメ。テレビから人気の火がつき映画化され大ヒットしました。総監督はジブリ作品でも有名な高畑勲監督。声優陣は、ナチュラルな関西弁が話せる声優として選ばれた吉本の大御所芸人達。テツ役は西川のりお、おじいとおばあは鳳啓助と京唄子、居候の野良猫小鉄は西川きよし、その猫と対決するアントニオジュニアは横山やすし、他にも島田紳助やオール巨人、桂文枝が脇役という豪華な声優陣。これだけでも観る価値があります。

 

 そして、改めて大人の視点で観てみるとこの作品、当時の古き良き人間関係が描かれた秀作。素直で喜怒哀楽が豊かなチエちゃん。小学校5年生なのに、自分の生き方を知っていてバイタリティ溢れる女の子。落ち込んだ時にも「明日は明日の太陽がピカピカやねん!」と自分を奮い立たせるあたりはただもんではありません。物語は終始、テツの馬鹿げた言動に振り回されて行くのですが、映画版では離れて暮らす母・ヨシ江と隠れて会うチエちゃんとテツの家族の物語へと流れていきます。いつも余計なことばかりするテツですが、妻のヨシ江さんを前にすると一気にシュンとしてしまいます。自分らしくいることと、好きな人と家族になることはテツにとって両立できないことらしいのです。母のヨシ江と暮らしたいのと憎めないテツとの間で心が揺れ動くチエちゃんの気持ち、破天荒なテツと一緒に暮らせないヨシ江さんの気持ちもよくわかる!どうにもならないものに挫けず頑張るチエちゃんを周りにいる大人はほっておけないのです。(わかる!)いつも自分らしく元気なチエちゃんとテツは、いつも大勢の人に囲まれ、緩やかな人間関係の中で育まれる人情があったかくて気持ち良いのです。そんな社会がそこにあることが素晴らしいと感じます。

 

  家族の形がどんなものであっても、今の自分にフォーカスして自分らしく前向きで居られることの尊さ。チエちゃんはその象徴なのかなと思います。「誰かのせいで」とか「これさえあれば」とかチエちゃんは一切言いません。私もタラレバをやめて、自分らしさを探しに行こう!と元気をもらえる映画でした。

 

じゃりン子チエ

DVDパッケージ

公開日:1981年4月

上映時間:110分

ジャンル: ドラマ

監督:高畑勲

キャスト: 中山千夏, 西川のりお, 上方よしお

【内容】

「WEEKLY 漫画アクション」に連載された、はるき悦巳原作漫画を高畑勲監督が映画化。大阪の下町を舞台に、ホルモン焼屋を切り盛りする小学5年のチエを中心にハチャメチャな日常を人情味たっぷりに描く。西川のりおら、人気お笑いスターが声優を担当。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

●じゃりン子チエ 劇場版 [DVD] ¥4,127〜

●amazon primeでも視聴できます。

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