今も昔も、映画はみんなが楽しめる身近な娯楽。
映画が誕生して120年余り。
私たちのおじいちゃんおばあちゃん、
あるいは、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんだって
映画を楽しんできました。
ひいおじいちゃんが観ていたかもしれない100年前の映画や
お父さんの青春時代を彩っただろう50年前の映画など
公開年ごとにランダムに紹介していきます。

これまでのライブラリー

2021.3.13.

 

 

 

 今から41年前の1980年は、4年に一度のオリンピックイヤー。モスクワオリンピックが開催されました。しかし、アメリカとソ連が対立する冷戦時代。ソ連のアフガニスタン侵攻の影響を受けてアメリカをはじめ、日本や西ドイツ、韓国、中国などソ連と対立関係にあった国々がボイコットを決めました。この決定は、体操やバレーボール、ハンドボールなど強かった日本のスポーツを低迷させる結果となりました。そして、政治のスポーツへの介入が問題視され議論を呼びました。

 

 そして、今回ご紹介するのは、深作欣二監督「復活の日」。当時は現実社会でも水爆実験や核ミサイルの開発など地球の存続を脅かすような国防軍事活動が進む時代。劇中ではMM-88という強烈な致死率で地球上の脊髄動物を襲う細菌が開発され、それを兵器として利用しようと企む組織がその細菌を持ち出し、逃走中にカプセルを壊してしまう所から人類の悲劇が始まります。今回、この映画で描かれるのは、「生き延びるための家族」と「豊かな時代の家族」の対比。わずか数年間で、人類自らが創り出した殺人兵器によって滅亡の危機に追い詰められた人間を描いています。そして、文明を失った人間が選ぶ家族の形は、今の私たちが形づくるものとは全く違います。

 

 こうしたプリミティブな人間の姿は、私たちの本質とは何かと強烈に迫ってきます。この映画では、今まで積み上げてきた文明を一瞬にして失ってしまう危うさと豊かな技術や文明の上に立って初めて実現する幸せの尊さを観せられた気がします。そして、奇しくも新型コロナウイルスが猛威を振るう今、人類滅亡の危機は益々リアルに感じられます。映画で描かれる危機は、すべて人間が創造した科学技術に端を発したものでした。これは映画の中だけで起こりうるフィクションではありません。「子供にあるいは親に苦労を掛けたくない」といった大切な人への愛に基づく行動が、知らないうちに地球に大きな負荷を掛けている現実。その人間の二面性に気づけと刃を突きつけられたような気分です。

 

 この映画が公開されてから40年経った今も核ミサイル問題は解決されていません。さらに、海洋プラスチックや食品廃棄問題も私たちの暮らしが産んだ負の産物です。私たちがより豊かに生きるためにずっと今まで地球の資源を搾取し続けていることを知り、行動を改めることが喫緊の課題です。自分だけではなく地域や国も超えて世界、あるいは地球全体を愛する視点が時には必要だと感じます。

 

復活の日

DVDパッケージ

公開日:1980年6月23日

上映時間:156分

ジャンル: ドラマ

監督:深作欣二

キャスト: 草刈正雄, オリビア・ハッセー, 夏木勲

【内容】

小松左京の同名小説を深作欣二監督が映画化したSFスペクタクル。研究所から盗まれた猛毒ウイルスが世界中に拡散し、生存者は南極に残された863人のみに。さらに核ミサイルの発射を誘発する地震が起こり…。“角川映画40周年記念1,800円シリーズ”。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

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