今も昔も、映画はみんなが楽しめる身近な娯楽。
映画が誕生して120年余り。
私たちのおじいちゃんおばあちゃん、
あるいは、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんだって
映画を楽しんできました。
ひいおじいちゃんが観ていたかもしれない100年前の映画や
お父さんの青春時代を彩っただろう50年前の映画など
公開年ごとにランダムに紹介していきます。

これまでのライブラリー

2021.2.20

 

 

 

 今回は、44年前1978年にタイムスリップしてみましょう。この年は、新東京国際空港(現 成田国際空港)が開港し、池袋には当時はアジアでトップの高さを誇った60階建の超高層ビル「サンシャイン60」が開館しました。人口は増え、経済はますます豊かになる一方でマグニチュード7.4最大震度5の宮城県沖地震や287日間にわたる給水制限が行われた福岡大渇水があった年でした。芸能界では、「普通の女の子に戻りたい」と三人組のアイドル キャンディーズが引退を発表。そして、ピンクレディがUFOやサウスポー、モンスターなど数々のヒット曲で大人気に。j-POPの草分け的存在のサザンオールスターズがデビューしたのもこの年でした。

 

 今回ご紹介するのは、野村 芳太郎監督の「事件」。第二回目のアカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した作品です。この映画は、法廷が舞台となるドラマ。裁判長に佐分利信、検事に芦田伸介、弁護士は丹波哲郎とそれだけでも豪華なキャスティング。そして、殺人事件の犯人として裁かれるのは、藤沢市の工員として働く少年永島敏行、その少年を巡って三角関係に悩む姉妹に松坂慶子と大竹しのぶ、
その母親が乙羽信子。この家族を取り巻くのは、姉のヒモとして付き纏うチンピラ役 渡瀬恒彦。法廷に証人として立つ第一発見者の西村晃、金物屋の店主に森繁久弥と役者揃い。めちゃくちゃ見応えがあります。

 

 物語は、山中で若い女性の死体が発見されるところから始まります。裁判によって明らかにされていく事件の真相を巡って、様々な立場の人間が証言に立ち事実と感情の間で揺れ動きます。裁判は何回かに渡り開かれ、ひとつまたひとつと真相が明らかになり最終的には法的な裁きが行われます。争点は突発的な事故なのか、計画的な犯行であったのかを巡って争われました。裁判は良識ある裁判長の元、丁寧かつ多角的に判断された合理的結論でした。しかし、被害者の遺族にとっても被告人にとっても強烈な悲しみと虚しさが残るだけでした。自分の愛を信じて幸せを求めた結果、家族の裏切りが招いた悲しい物語。人の心次第で不幸と幸せが表裏一体となったこの世界が私たちの生きる世界です。国は、法律によって国家や国民を守り、人々を規制していますが、それが人間のすべてではないことを訴えてくる映画でした。

 

事件

DVDパッケージ

公開日:1978年6月3日

上映時間:138分

ジャンル: ドラマ

監督:野村芳太郎

キャスト: 松坂慶子, 永島敏行, 丹波哲郎, 芦田伸介, 佐分利信

【内容】

大岡昇平の小説を野村芳太郎監督が映画化。スナックを営む若い女性・坂井ハツ子が殺され、犯人として19歳の工員・上田宏が逮捕された。だが裁判の証人喚問の中、彼らをめぐる複雑な恋愛模様が明らかにされていく。“あの頃映画 松竹DVDコレクション”。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

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