今も昔も、映画はみんなが楽しめる身近な娯楽。
映画が誕生して120年余り。
私たちのおじいちゃんおばあちゃん、
あるいは、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんだって
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ひいおじいちゃんが観ていたかもしれない100年前の映画や
お父さんの青春時代を彩っただろう50年前の映画など
公開年ごとにランダムに紹介していきます。

これまでのライブラリー

2021.1.23

 

 

 

 今回は、45年前の1975年にタイムスリップ。この年は、アメリカの航空機製造会社ロッキード社の旅客機をめぐる贈収賄事件が発覚。元首相・田中角栄をはじめとする各界の大物が逮捕され、世界を揺るがす大事件となりました。ロッキード事件といえば、一度は耳にしたことがある人も多いのでは?この事件の発覚により、日本政治の裏側に蠢く暗に初めてメスが入りました。しかし、新聞記者や運転手など関係者の急死など不可解な事が起こり、事件の真相は闇の中。アメリカ政府の陰謀説も浮上し、アメリカ・日本政府、ロッキード社と全日空、丸紅と元CIAの仲介人と様々な思惑が絡み合う複雑さを呈しています。現実にあった事柄とはいえ庶民には遠い世界の話です。今クライマックスを迎えている大河ドラマで描かれている信長も権力を得た後、金銀財宝に心を奪われていく様が描かれていますが、現代まで同じようなことが繰り返されているのですね。今も引き続き、お金が価値と力を持った社会ですが、もう少しマシになってきているのでしょうか?

 

 そんな世紀の大事件が明るみに出た年の10月に公開されたのが「犬神家の一族」。横溝正史のミステリー作品を映画化した角川映画シリーズ初めの作品。今回は、一風変わった家族のお話。この頃は、家族の愛を描いた作品は皆無の時代。第二次ベビーブームの最中なのに、愛が語られない世界はどこか殺風景な気がします。監督は、色の魔術師と謳われた市川崑。プロデューサー角川氏がミステリーのイメージが薄い市川監督に声を掛けたのは、監督自身が大のミステリー好きという理由。この采配が大当たり。この映画は、角川映画シリーズとして初めての大ヒットとなりました。

 

 殺人事件が次々と起きる重苦しい雰囲気ですが、スケキヨの仮面や湖に突き出た死体の足など鮮烈な演出が印象的で最後まで飽きさせません。その後、たくさんの人にパロディされてシーン自体が有名になったので、あー!これこれ感が止まりません。キャストも高峰三枝子、笛吹光子、島田陽子など美人女優がズラリ。揺るぎない美貌とシリアスな演技で重厚な雰囲気を漂わせます。そして、主演の石坂浩二の飄々とした雰囲気や宿屋の娘役坂口良子の可愛らしさにホッとさせられる絶妙なバランス。パロディのイメージが強い現在の「犬神家の一族」ですが、伏線の作り込みや回想シーンのモノクロ画像を差し込む演出など斬新なアイデアが満載。今観ても夢中になって観てしまう名作でした。

犬神家の一族

DVDパッケージ

公開日:1976年10月16日

上映時間:145分

ジャンル: ドラマ

監督:市川崑

キャスト: 石坂浩二, 島田陽子, あおい輝彦

【内容】

横溝正史の原作ミステリーを、市川崑監督が石坂浩二主演で映画化した「金田一耕助」シリーズ第1弾。信州の財閥・犬神家の巨額の遺産をめぐり連続殺人事件が起こる。名探偵・金田一耕助が事件の謎に迫る。“角川映画40周年記念1,800円シリーズ”。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

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