今も昔も、映画はみんなが楽しめる身近な娯楽。
映画が誕生して120年余り。
私たちのおじいちゃんおばあちゃん、
あるいは、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんだって
映画を楽しんできました。
ひいおじいちゃんが観ていたかもしれない100年前の映画や
お父さんの青春時代を彩っただろう50年前の映画など
公開年ごとにランダムに紹介していきます。

これまでのライブラリー

2021.1.9

 

 

 

 今回は、1974年。46年前に時代を遡ります。この年は、ミスター巨人長嶋茂雄が引退を表明した年です。「我が巨人軍は永遠に不滅です」という印象的な言葉を残してドラマチックにマウンドを去りました。そして、ガッツ石松がボクシング世界チャンピオンに輝き、北の湖が史上最年少(21歳2か月)で第55代横綱昇進。そして、荒井注が脱退した後のドリフターズに志村けんが正式加入したのもこの年。各界の名だたるレジェンドが人生の岐路に立った年でした。そして、女性のファッションは、ミニスカートからロングスカートへ。この年の経済は初めてのマイナス成長。エネルギー危機で省エネ・節約の時代が始まり、時代も少しずつ変化していきました。破竹の勢いだった経済成長が少し緩やかになり安定してきたのがこの時代です。

 

 第一次ベビーブームに産まれた団塊世代が20代になり、恋愛・結婚を経験する年頃。この頃になると、家族の繋がりや愛情をテーマにした映画は少なくなり、任侠・サスペンス・怪獣・パニック映画と様々な娯楽作品が発表されました。その中で、古い価値観や慣習を批判し、新しい思想や文化を創造するアンダーグラウンドの若者文化が花開いた時代。その時代のほとばしるエネルギーを受け止めていたのが演劇や歌などの芸術活動だったのかも知れません。60年代から70年代にかけての表現は、今でも激しい破壊的なエネルギーと共に私達に何かを問い掛けてくる切実さを伴っています。

 

 今回ご紹介するのは、出目昌伸監督の「神田川」。かぐや姫の大ヒット曲を作詞した喜多条忠が、自身の青春期を綴った自伝小説を映画化した作品です。大学の人形劇サークルに所属する貧乏学生と古本屋に勤め、都会の片隅でつつましく暮らす女の子の恋の物語です。主演は、草刈正雄と関根恵子(現:高橋恵子)。二人とも今ではベテラン俳優ですが、当時の初々しい姿が見られます。かぐや姫の歌の世界観に若干馴染まない草刈正雄の超絶イケメンぶりをぜひ観て欲しい。まっすぐな若者の恋心を爽やかに演じています。途中、傲慢な兄が引き起こす非人道的な行為やお金を無心する母、失恋して命を落とす友人など無理くりな不幸設定が出てきますが、それも時代でしょうか。若干行き過ぎな気もしないでもないですが、草刈正雄と関根恵子の恋愛模様だけでも充分楽しめる作品。この時代、若者だった両親もこんな恋愛に憧れていたかも知れませんね。(ザワザワザワ…笑)

 

神田川

DVDパッケージ

公開日:1974年4月6日

上映時間:84分

ジャンル: ドラマ

監督:出目 昌伸

キャスト: 関根恵子, 草刈正雄, 黒沢のり子, 名古屋章

【内容】

かぐや姫が歌い大ヒットを記録した「神田川」を作詞した喜多条忠の自伝的小説を元にした青春ムービー。人形劇サークルに所属する大学生とひとりの少女との同棲生活を描く。かぐや姫伝説を絡ませ、70年代の若者たちの恋愛感をリアルに映し取った傑作。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

●神田川 [DVD] ¥3,988〜

●amazon primeでも視聴できます。

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