今も昔も、映画はみんなが楽しめる身近な娯楽。
映画が誕生して120年余り。
私たちのおじいちゃんおばあちゃん、
あるいは、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんだって
映画を楽しんできました。
ひいおじいちゃんが観ていたかもしれない100年前の映画や
お父さんの青春時代を彩っただろう50年前の映画など
公開年ごとにランダムに紹介していきます。

これまでのライブラリー

2020.3.14.

 

 

 

 1957年は、神武景気と言われる好景気からなべぞこ不況へと経済の乱高下を経験した年でした。この年には、日産スカイライン、ダットサン、トヨタコロナ、日本専売公社からはホープ、ロッテのグリーンガムが発売され、アメリカからコカコーラがやって来ました。どれを取っても、今ではロングセラー商品と言われる名品揃い。数々の商品が生まれた六十数年前と今とが繋がっていることを実感します。東京都の人口がロンドンを抜いて世界1位となり、日本の経済は益々活気に満ちていく日本経済の夜明けの時代です。

 

 横須賀の観音岬から始まり、北海道、大島、水子島、女島、佐渡、御前崎、鳥羽など日本各地を転々として、最後にまた観音岬に戻って来ます。まだコンビニなど無かった時代。ましてや灯台がある場所は人も来ない辺鄙な場所です。灯台守の仕事は、船の航海には欠かせない重要な仕事ではありますが、孤独と隣り合わせの過酷なものでした。その夫を支える妻も楽ではありません。物資も遊びも限られた中での子育ても大変です。家族が暮らす建物も決して快適とは言えなさそうな簡素な作り。その環境の中、辛抱強く暮らす家族がとても健気であり、共に過ごす時間と距離の近さが、葛藤の火種にもなり、強さと深い絆を生み出しているようにみえました。

 

 25年という歳月の中には、子供が生まれ育って大人になって行く長い物語が詰まっています。家族がくっついて、離れて行くその様は今の家族にも共通する風景です。その長い長い年月を描き切った木下恵介監督の情熱と技量は凄まじさを感じます。当たり前のような時間は、日々の積層となって降り積もる。それは、特別な大きな大きな塊となって、その家族だけの記憶として心に残って生きます。それを私たちはどう受け止めるのか、そんなことを投げかけられた気がしました。

 

喜びも悲しみも幾年月

DVDパッケージ

公開日:1957年10月1日

上映時間:160分

ジャンル: ドラマ

監督: 木下惠介

キャスト:佐田啓二、高峰秀子、有沢正子、中村賀津雄、田村高広

【内容】

松竹が誇る天才監督・木下惠介監督が日本縦断ロケを敢行し、同名の主題歌と共に大ヒットを記録した名作ドラマ。灯台守一家の25年にわたる波乱に満ちた生活と愛情を、繊細かつ力強いタッチで描いた壮大なる年代記。主演は高峰秀子と佐田啓二。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

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※アマゾンプライムでも視聴できます。

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