今も昔も、映画はみんなが楽しめる身近な娯楽。
映画が誕生して120年余り。
私たちのおじいちゃんおばあちゃん、
あるいは、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんだって
映画を楽しんできました。
ひいおじいちゃんが観ていたかもしれない100年前の映画や
お父さんの青春時代を彩っただろう50年前の映画など
公開年ごとにランダムに紹介していきます。

これまでのライブラリー

2020.2.22.

 

 

 

 今から52年前の1968年。この年、世界を震撼させたいくつかの重大事件が数多く発生しました。ベトナム戦争では「テト攻勢」による米軍攻撃で多くの米軍兵士が犠牲になり、キング牧師やジョンFケネディの弟ロバートケネディの暗殺。ポーランドのワルシャワ大学では「3月事件」。ニューヨークのコロンビア大学での抗議運動やパリの「5月革命」、チェコスロバキアの民主化運動「プラハの春」など政治的な活動が各地で活発化。日本でも大学紛争が各大学で発生しました。そして、昭和50年に時効になった「三億円事件」もこの年に発生しています。

 

 そんな、混沌とした時代を背景に、公開されたのが「とむらい師たち」。時代が大きく変わる転換期において失われつつあった「人の死に対する尊厳」をテーマにブラックユーモアたっぷりに描いた作品です。主演は、勝新太郎。死人に敬意を払わず金儲け主義に走る葬儀屋の実態を嘆き、仲間を集い自ら理想の葬儀社を立ち上げる……というお話。時代の荒々しさと勝新太郎の憎めない破天荒キャラがピタッと調和したごきげんな作品です。

 

 テーマは、大真面目なのですが、個性的でふざけた登場人物と予想外の展開に「えっ!?そっち行く?」と驚きっぱなしの1時間半。しかしながら、高度経済成長を遂げた日本の転換期にあったその時代に、「弔い」をテーマにしたのは、すごい着眼点。今のお寺離れや墓じまいの問題もこの時代から始まったことだろうと思います。日本人ほど先祖供養を大切にする民族はいないと言いますが、このままで本当にいいのだろうかと問い直す時間。52年前よりも進んでしまった供養への無関心に心が騒めき立ちます。

 

 「本当の弔いとは?」という深いテーマをユーモラスにエネルギッシュにエンターテイメントにしている勝新太郎の魅力も見どころです。

 

とむらい師たち

DVDパッケージ

公開日:1968年4月6日

上映時間:89分

ジャンル: ドラマ

監督: 三隅研次 脚色:藤本義一 原作:野坂昭如

キャスト:勝新太郎, 伊藤雄之助, 藤村有弘, 藤岡琢也, 財津一郎

【内容】

直木賞を受賞した野坂昭如の同名小説を三隅研次監督が勝新太郎主演で映画化。葬儀コンサルタントを開業したデスマスク屋のガンめんと仲間たちが、奇抜なアイディアとバイタリティーで儲けまくるのだが…。“角川シネマコレクション 12月度”。(「キネマ旬報社」データベースより)

 

●とむらい師たち [DVD]  新品 ¥3,080〜

※アマゾンプライムでも視聴できます。

目次