今も昔も、映画はみんなが楽しめる身近な娯楽。
映画が誕生して120年余り。
私たちのおじいちゃんおばあちゃん、
あるいは、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんだって
映画を楽しんできました。
ひいおじいちゃんが観ていたかもしれない100年前の映画や
お父さんの青春時代を彩っただろう50年前の映画など
公開年ごとにランダムに紹介していきます。

これまでのライブラリー

2020.2.1.

 

 

 

 72年前の1月30日のこと。インド独立の父と言われるマハトマ・ガンディーが、ニューデリーの滞在先で3発の銃弾を受け、暗殺されました。非暴力の思想を掲げて独立運動を牽引し、1937年か1948年にかけて計5回もノーベル平和賞にノミネートされるほど世界から尊敬された人物です。そして、昨年12月アフガニスタンへの支援に尽力された中村晢医師も銃弾に倒れました。生きた時代やバックグラウンドこそ違う二人ですが、両者の「人のために尽くす姿勢」は、どこか重なるものがあるように思います。自分もこの何万分の1でもいいので、人のために尽くす行動力とスキルを発揮したいものです。中村さんやガンディーは多くの人を救ったすごい人ですが、私たち一人一人が周りの人々と幸せを分かち合えば、もっと大きな力になるはず。世界の平和は自分が作るんだ!という気概持つことは大切なことです。

 

 そして、今回ご紹介する映画も、誰かのために力を尽くす医師が主役の映画。黒澤明監督の「酔いどれ天使」。この年のキネマ旬報大賞を受賞した名作。三船敏郎と初めてタッグを組んだ作品です。若き日の三船敏郎は、飛び切りセクシー。新人ながら抜群の存在感です。そして、三船敏郎演じる結核を患う闇市の元締めを見捨てられず治療をするよう説得する医師役の志村喬が、素晴らしい演技を魅せてくれます。

 

 自分から治療に来たのにも関わらず、診察室でイチャモンをつけ殴りかかってくる三船敏郎に、もろともせずに応戦する中年医師の志村喬。医師なのに患者を殴っちゃう瞬間湯沸かし器っぷりが、その時代ならではのやさぐれ感満載の演出です。映画のタイトルに「酔いどれ」とありますが、この医師も相当なお酒好き。戦後の物のない時代、お酒が無くなると消毒用のエタノールを飲んでしまうほど。でも、忘れてはいけないのが「酔いどれ天使」の「天使」の部分。憎むべきは「病気であって人ではない」という信念の元、病気を抱えて苦しんでいる人を放っておけない天使のような優しい心を持った医師なのです。

 

 黒澤明監督が描く1948年の日本は決して明るいものではありません。戦後の混乱期、かつての街は焼失し、わずかに残った街には闇市が軒を連ね、その中で人々が身を寄せ合うように暮らしています。その街には、現代にはないギラギラした熱と行き場のない悲しみを湛えています。戦争は多くのものを奪っていったのですが、それでも前を見て生きていく人々の姿には力強いエネルギーが溢れています。そんな、日本の風景を黒澤明監督の独特の世界観で描いています。当時、大人気だった「東京ブギウギ」を歌った人気歌手笠置シヅ子の劇中の歌唱も必見です。ほんの72年前には別世界だった日本。1948年にタイムスリップして見ませんか?

 

酔いどれ天使

DVDパッケージ

公開日:1948年4月28日

上映時間:98分

ジャンル: ドラマ

監督: 黒澤明

キャスト:志村喬, 三船敏郎, 千石規子, 笠置シズ子, 久我美子

【内容】

戦後の混乱がまだまだ続く日本を舞台に、肺を患った闇市を支配する男と、無骨だが心優しい医師とのやりとりを通して、荒廃した社会状況や人々の心情などを描いた、巨匠黒澤明監督が贈る人間ドラマ。出演は志村喬、三船敏郎ほか。 (「Oricon」データベースより)

 

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