今も昔も、映画はみんなが楽しめる身近な娯楽。
映画が誕生して120年余り。
私たちのおじいちゃんおばあちゃん、
あるいは、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃんだって
映画を楽しんできました。
ひいおじいちゃんが観ていたかもしれない100年前の映画や
お父さんの青春時代を彩っただろう50年前の映画など
公開年ごとにランダムに紹介していきます。

これまでのライブラリー

2019.12.7.

 

 

 

 今回は、真珠湾攻撃でアメリカに宣戦布告した年1941年にタイムスリップ。ちょうど、78年前の12月8日。日本帝国軍の戦闘機がハワイのパールハーバーを攻撃し、太平洋戦争が始まりました。戦前と呼ばれるこの時代、日本は大日本帝国と名乗り、ロシアや中国と戦争を繰り返す軍事国家でした。世界は欧米列強による帝国主義と植民地主義の時代。それまで鎖国政策を敷いていた江戸時代から一転、日本も欧米諸国を模倣して、琉球と蝦夷を併合し、次いで台湾と朝鮮半島を植民地にしました。そして、中国満州に満州国を樹立。1937年からは日中戦争が始まりました。今の日本からは想像できないくらい違う思想の国でした。まるで、別の国のようです。

 

 今回紹介する映画は、軍事主義の思想が日本を覆っていた時代に制作された家族のドラマ。小津安二郎監督の「戸田家の兄妹」。政治は変わっても家族のあり方は、ずっと変わらないことを実感する映画です。当時のブルジョワ家庭を舞台に、時代の荒波に揉まれながら奔走する女性を描いています。 明治以降の70年。外国から入ってくる文化や技術、そして産業が変わり、経済が発展した日本において、暮らしが急激に欧米化した時代。今から考えれば、まだまだ素朴な日本の原風景が残る時代ですが、当時からすればその変化は大きなものだったのでしょう。変わりゆく日本の姿を憂いて、小津安二郎監督が着目したのが家族だったのだろうと想像します。

 

 幸せな家族には、何が必要なのか?という問いにまっすくに届くメッセージがあります。今にも通じる、ブルジョワ家庭あるあるをユーモアを交えて描いている作品。あれから、78年たった今。便利な暮らしを手に入れた私たちにとっても、忘れてはいけない大切な物を気づかせてくれる映画です。

 

 

戸田家の兄妹

DVDパッケージ

公開日:1941年3月1日

上映時間:106分

ジャンル: ドラマ

監督:小津安二郎

キャスト:高峰三枝子, 藤野秀夫, 葛城文子, 吉川満子, 斉藤達雄

【内容】

上流階級である戸田家の当主が亡くなり、残された妻や子供達とそれぞれの家族が右往左往しながら、父親の一周忌を迎えるまでの経緯を描いた作品である。生活のため夫が家に残した書が骨董の類を売り払うことになったり、兄弟それぞれの思惑が違う中で、上流階級らしく上品な言葉で交わされる言葉の真意やそれぞれの立ち振る舞いの裏にある隠された部分が、高橋三枝子、桑野通子、三宅邦子といった当時を代表する女優達により、表現されており、特に現在では女優の資質と共になくなってしまった一種の品の良さが漂っているところは、見所の一つである。

 

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