誰しもがこの世界とお別れする時が来る。
本当は、当たり前のことなのだけど、
普段はあまり身近に感じることはないかもしれません。
あなただったら、どんな姿で残されたあの人と一緒に居たいと思いますか?
本人にとっても、家族にとっても、納得できる
最高の遺影写真を撮りたい!
家族の一日を追いかけたルポルタージュです。

カメラマン
PhotoLeGe
小栗啓吾

病院の介護士として勤務しながら『介護写真家』として撮影を行なっている。 イキイキとした介護士の表情を写真に切り取ることで、介護現場での心の触れ合いを多くの人に知ってもらうことを目的に様々な活動をしている。また、出張で遺影撮影をしながら介護・終活相談も行なっている。

スタイリスト
JIBUN STYLE LABO代表
古屋ヨウコ

人を笑顔に輝かせることをミッションに、他人との比較ではなく、自分らしさを大切にした『JIBUN STYLE』にこだわり『最高に輝くJIBUN/自分』を装いで表現するスタイリングアドバイスをはじめ、個人や企業、店舗の価値を高めるプロデュース、ブランディングサポート事業等、活動のフィールドを広げている。

ヘアメイク
綺羅化粧品浜松
野田健

パウダーメイクの機能性に感動して、板前から綺羅化粧品へ転職。現在はメイクアップ&小顔エステ小顔エステトレーナーを担当。「人を綺麗に見せる」を信念に日々技術に磨きをかけている。

6月1日

第3回 いよいよドキドキの撮影ロケ! ~メイク&スタイリング編~

立春を過ぎたものの、まだまだ寒さの厳しい2月某日。透き通るような青空が広がる朝、スタッフが梶野さんのお宅の前の駐車場に集合しました。足元には小さなタンポポが春を待ちきれずに顔をのぞかせています。みんなでご自宅に向かうと、完治さんが家の前の道路で出迎えてくれました。築50年というご自宅は、昭和の風情が温かみを感じさせる佇まい。玄関の正面の客間が、今日の撮影の控室兼メイクルームです。まずはスタッフの紹介をして、撮影スケジュールを確認。「なんだか恥ずかしい。メイクや撮影なんて初めてで…」と首をすくめる加津子さん。そんな奥さまを完治さんがニコニコしながら眺めています。。

メイクシーン

梶野さん笑顔

まずは、撮影シーンに合わせて衣装を確認。完治さんは、仕事の相棒・原付バイクにまたがったシーンを撮影します。衣装は完治さんが長年ファンの『南海ホークス(現在の福岡ソフトバンクホークス)』のスタジアムジャンバー。80歳を記念して息子さんたちがプレゼントしてくれたもので、背中には「K.KANJI 80」の文字が。完治さんは昔野球をやっていたせいか背中がガッチリしているので、スタジャン姿がとてもよく似合います。スタジャンの下は、普段着のシャツとズボンに決定。「靴はどうしようかな。革靴は窮屈だし…。バイクに乗るからズックでいいかな」と、完治さん。最初は少し戸惑った様子でしたが、だんだんノリ気になってきたようです。

 

一方、加津子さんは、駐車場の前で立ち姿を1シーンと、趣味の機織りをしているシーンを撮影します。女性にとっては衣装をコーディネートするのも楽しみのひとつ。スタイリストさんに候補の服を見せて、相談しながら服選び。その結果、ロングスカートがエレガントなニットのセットアップに決定しました。

 

「インナーは、顔に近いから明るい色目がいいですよ」というスタイリストさんのアドバイスで、ワインレッドのセーターを選択。「このお洋服も個性的でいいかも!」と、スタイリストさんがブルーの幾何学模様のセーターを手に取って加津子さんにあてると、色白なお顔が鮮やかなブルーに映えてとてもお似合い。結局、2パターンでコーディネートすることになりました。

「アクセサリーはこんなのがあるけど、使えるかしら」と、加津子さん。座卓の上にお気に入りのネックレスを並べてウキウキ気分。ワインレッドのセーター用に真珠のネックレスとピンクの羊毛玉のネックレスを選びました。

 

スタイリング

衣装が揃ったら、いよいよメイクの開始。まずはベースを整えます。「いつも洗顔は丁寧にやるけど、化粧水や乳液をつける程度のお手入れしかしていないから恥ずかしいわぁ」と謙遜するものの、お肌はしっとりしてとても若々しい印象です。まずは、メイクさんが美容液、化粧水、乳液の順で加津子さんの顔にやさしく塗り、なじませます。その後、下地を塗り、コンシーラーでしみやくすみを隠してから、ブラシで全体にパウダータイプのファンデーションを広げていきます。

加津子さんメイク

完治さんスタジャン

次に、アイシャドウとアイラインで目元をしっかりメイク。アイシャドウはセーターに合わせてボルドーカラーに。深みのある色合いが加津子さんの瞳と違和感なくマッチしています。

チークは、メイクさんがピンクとベビーピンクを混ぜてふんわりとした中間色を作り、加津子さんの頬にブラシでふわっと色を乗せます。仕上がりはナチュラルですが、チークをつけた途端に表情がぱっと華やかになりました。「テレビに出ている人はいつもこうやってもらうのね。私、子どもの頃に赤ら顔で嫌だったから、大人になってからもチークを使ったことがないの。でも、こうやると自然な感じにできるのね」と加津子さんは興味津々。

 

次に、リップはローズを選択。なぜローズを選んだのかメイクさんに聞くと、「会った時にすぐ、その人に似合う色が直感的にわかるんです」との答えに、みんながびっくり。さすがはプロフェッショナルです。ヘアは軽く整えて、スプレーをシュッ。完治さんはヘアメイクが仕上がった加津子さんを見て、「きれいになったね。10歳ぐらい若返ったんじゃない?」とからかいながらも、嬉しそうに目を細めます。

 

さてさて、お次は完治さんがメイクをする番です。男性の場合は、メイクといっても眉毛を整えるのがメイン。「眉毛が長過ぎると老けてみえるので」と、メイクさんが眉毛にちょんちょんとハサミを入れ、ブラシで眉をサッと揃えただけで、いっそう凛々しい表情になりました。

 

さぁ、これからいよいよ撮影の開始です。衣装を整え、最終チェックをして、まずは完治さんの原付バイクの撮影から。さて、どんなロケになったのでしょうか。次回をお楽しみに!